2011年8月3日水曜日

Webでのネタ収集と、入力出力の関係。

Facebookで「先生。Evernoteみたいなアウトラインプロセッサが欲しいです。」と叫んだところ、「ブログでまとめたまえ!」とお題をいただいたので、Evernote絡みで入力と出力のネタ。
Evernoteの利用を早々に諦めた身として、何がいけないと思ったのか記しておくことにする。Evernoteの使い方としては間違っているのかもしれないし、それも含めて突っ込みを待ったり、何かを考えるきっかけになれば良い気もする。いや、どちらかといえば「Evernote使う順序としてはこうでしょうが」とか「そういうことなら。このツールを使ってみなよ」という優しい識者の登場に期待!「人それぞれ」じゃ主に私が前進しないので、よろしくお願いします。

現状、誰かとの情報共有にはDropbox、Facebook、Chatter、G+を利用している。
個人的には適当なテキストエディタと、JustNotesの組み合わせでテキストのネタをデスクトップ、ノート、iPadで持ち歩き、他のファイル形式はDropboxに放り込んでいる。
客先に納めるものは、ほとんどがサーバに入れて納品を完了するか、それと同じものをCDに焼く。HTMLファイルと何らかの言語のプログラムファイル、それにjpeg、gifなどの画像ファイルだ。ドキュメントは何で作成しようが、PDFにして納品する。動画を求められた経験は無いし、Flashも最近は全く作らない。出力に関する事情はそんな次第。

2年前、Evernoteを使って、これから構築するサイトのイメージを関係者と共有したのが積極的にEvernoteを利用した最後の経験で、そこですぱっと見切りをつけた形になる。
とあるジャンルに限定して資料性のある記事やリンク集を内容とする、全部で100ページぐらいの規模のサイト構築の案件だ。この準備段階で、国内にある類似のサイトが、何を掲載しているか、どんな形式のサイトになっているかを順番に調べていくことにした。
ここで、Evernoteの登場である。Webサイトを調べると同時にクリップしていけるので、非常に調子良くネタは集まっていく。
順調に見えたが、問題は早々に起きた。
Webサイトの制作には、「Home」のページ以下の階層構造とナビゲーションを考える必要がある。ネタはWebサイトを作る参考として共有していたので、ある程度ノートを階層化して把握したくなったのだ。タグを付けていったとしても、そのクリップに到達はできても、他のノートとの階層の関係は把握しづらい。
ノートブックとノートの先頭に番号を振ったが、順番は整理できても、一覧性も確保できないし、並べ替えやネタの追加で、焼け石に何をかけているやらわからない状態になっていった。
これから制作するWebサイトの階層構造のイメージの共有が、他サイトが扱うネタの傾向の確認と同時に出来れば、一般的にカバーされている情報の量やサイトの導線に対して、自分たちの独自性も考えられる。それが、集めた余所のネタを整理するだけで、共有できるかと虫のいい期待をしただけに、非常に残念だった。

集めたものの整理が直感的でないのならば、何らかのファイルにしたものを、フォルダで整理して、Dropboxに放り込んでおく方が格段に便利だ。
階層も普通にできる。ファイル名のリネームツールもある。各ファイルへの到達性も、フォルダ名だけでなくファイルの内容で検索する方法もある。
普段も特定のファイルへにたどり着くために、MacOSのファイル検索機能を利用しているが、これまで問題を感じた事はない。

さて、クリップと共有がイマイチなら、次は書く方だ。と、思ったがこれも実はタグの階層化とそりが合わないために利用を放棄した。
普段の手順通り、構成を考えて箇条書きにし、資料を横目やインラインにしながら書くわけだが、前回の反省を元に、タグで管理しながら章ごとにノートブックを分割して……。やはり、Evernoteのタグは、あくまでも放り込んだクリップに到達するためのもので、そこから先は無い。1クリップ1小ネタの厳しい掟でもあるのか、拾ったものにメモ以上のものを加えようなどという考えは、やがて盗用につながる暗黒面だとでもいうのか。そんな風に勝手に疎外感を感じて、Everoteの利用を諦めたものである。
Evernoteを横目にという発想や集めたネタを再びエクスポートしてという選択肢は無かった。横目なら最初からファイルを開いてウインドウに並べておくし、インラインでやるなら、書くツールの行き来は面倒だ。

私の場合、何かを書く場合は常に何を書くかのテーマが決まっていて、後は構成を考えて、ひたすら文章化していくという作業になる。漠然と書くとなっても、構成の箇条書きをしながら、書けそうな場所や書く材料のある場所は少し文章を書いてみるという進め方になる。アウトラインプロセッサの出番だ。
題名があり、内容があり、場合によっては起承転結であったり、序破急であったりするものを作成するにあたって、階層化して全体像を把握することは、非常に便利なやり方だ。
Evernoteの2ペイン、3ペインになる画面も、拾ったネタを探すべく絞り込む機能が主で、「ネタを集める」→「ネタを整理する」→「自分のものにして出力するという」。この、最後の出力のプロセスはカバーされていない。ノートは原稿用紙ではないし、情報を手元に置くということは、出力とは無関係だということだろうと、勝手に解釈している。

実は、この不満点は、ノートを最終的な出力の雛形として階層化し、グループ化する機能が加わるだけで、一瞬で解決する。弊社のプログラマーが車輪の再発明を厳しく戒める男でなければ、投資を募ってEvernoteを追撃したいところだが、現実的には淡々とツールの組み合わせでいくしかない。
この後に及んでなお、Unixの思想恐るべしである。

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