2015年10月16日金曜日

世界が変わってしまうほどの勝手な大勝負

むかしむかしあるところに、一本の木がありました。
その木の下で、時々、月と魚が大きな勝負をしました。
その頃、魚は月になりたくてどうしようもなく、月は本当にやさぐれていて、とてもたちの悪い博打打ちでした。
たくさんの勝負の結果、今、皆さんが暮らしている日常があるわけですが、どっちがなにを賭けた結果こうなっているのか、細かいことまでは記録に残っていません。
でも、月と魚の勝負のせいで、人生には秘密の鍵めいたものがちらつく様になり、地球上では磁石が北を指し示し、矢を放った後は方向転換ができない。そんな運命の決まりごとができてしまったことは確かです。
他にもたくさんの法則が勝手に変わってしまいましたが、すっかりそれが普通になってしまって、本当の大昔はもっとましだった筈だったのに、誰も文句を言わなくなってしまいました。
今はもう、月と魚が大勝負をした木は枯れて跡形もなくなり、月は何かのきっかけで博打をやめ、魚も水から出る様なこと自体、概ね無くなっています。
やめるなら元に戻してほしいものですが、賭博とそれにまつわる運命の法則が、無かったことにするというのを許さない様です。